平成21年3月31日から施行 雇用保険法の改正
投稿日:2009年3月31日(火)
1.雇用保険の適用範囲の拡大
- 短時間労働者及び派遣労働者の方の雇用保険の適用基準を以下のとおり緩和しました。
(旧)
・1年以上の雇用見込みがあること
・1週間当たりの所定労働時間が20時間以上あること
(新)
・6ヶ月以上の雇用見込みがあること
・1週間当たりの所定労働時間が20時間以上あること
2.雇止めとなった非正規労働者に対する基本手当の受給資格要件の緩和と所定給付日数の拡充
- 特定受給資格者に該当しない方であっても、期間の定めのある労働者が更新されなかったことその他やむ得ない理由により離職された方(特定理由離職者)についての基本手当の受給資格要件
(旧)
離職日以前の2年間に被保険者期間が通算して12ヶ月以上
(新)
離職日以前の1年間に被保険者期間が通算して6ヶ月以上
※ 受給資格に係る離職日が平成21年3月31日以降の方が対象となります。
- また、期間の定めのある労働契約が更新されなかったことにより離職された方は、基本手当の所定給付日数が、特定受給資格者と同様に手厚くなりました。
※ 受給資格に係る離職日が平成21年3月31日から平成24年3月31日までの間である方が対象となります。 - 期間の定めのある労働契約の締結の際に労働契約が更新されることが明示されていたにもかかわらず契約の更新がされずに離職された方については、雇用期間が1年未満であれば特定受給者なっていましたが、雇用期間1年未満という要件を緩和し、雇用期間1年以上でも該当するようになりました。
※ 受給資格に係る離職日が平成21年3月31日以降の方が対象となります。
3.再就職が困難な方に対する給付日数の延長
- 倒産や解雇等の理由により離職された方(特定受給資格者)や期間の定めのある労働契約が更新されなかったことにより離職された方で、次の①~③のいずれかに該当する方について、特に再就職が困難だと公共職業安定所長が認めた場合は、給付日数が60日分(注1)延長されます。
- 受給資格に係る離職日において45歳未満の方
- 雇用機会が不足している地域として指定する地域に居住する方
- 公共職業安定所で知識、技能、職業経験その他の事情を勘案して再就職支援を計画的に行う必要があると認められた方
注1) : 被保険者であった期間が通算して20年以上かつ所定給付日数が270日又は330日である方は、30日分の延長になります。
- 平成21年3月31日に基本手当の所定給付日数分の支給終了日を迎える方から受給資格に係る離職日が平成24年3月31日までの間である方が対象となります。
4.再就職手当の給付率引上げ及び支給要件の緩和
- 「再就職手当」の給付率が、支給残日数応じ、30%から次のとおり引き上げられました。
基本手当の支給残日数が
- 所定給付日数の3分の2以上である場合・・・50%
- 所定給付日数の3分の1以上である場合・・・40%
- 「再就職手当」の支給要件の緩和
所定給付日数が90日又は120日の方は、
(旧)
「支給残日数が所定給付日数の3分の1以上かつ45日以上」
(新)
「支給残日数が所定給付日数の3分の1以上」
- 再就職した日が平成21年3月31日から平成24年3月31日までの間である方が対象となります。
5.常用就職支度手当の給付率引上げ及び支給対象者の拡大
- 「常用就職支度手当」の給付率が、30%から40%に引き上げられました。
- また、支給対象者を拡大し、再就職した日において40歳未満で、かつ、同一の事業主に雇用保険の一般被保険者として一定期間継続して雇用されたことがない方等が対象になりました。
- 再就職した日が平成21年3月31日から平成24年3月31日までの間である方が対象となります。
6.育児休業給付の統合と給付率引上げ措置の延長(平成22年4月1日施行)
- 育児休業給付は育児休業中と職場復帰後に分けて支給されていますが、
平成22年4月1日以降に育児休業を開始した方については、
給付金を統合して全額育児休業中に支給されることになりました。 - 平成22年3月31日までとされていた給付率の引上げ(休業開始時賃金の50%)が当分の間、延長されます。
- 平成22年3月31日までに育児休業を開始された方は、育児休業基本給付金として育児期間中に30%、職場復帰して6ヶ月経過後に育児休業者職場復帰給付金が20%支給されます。
7.雇用保険料率の引下げ
- 失業等給付に係る雇用保険料率が、平成21年度に限り0.4%引き下げられました。
平成20年度 | 雇用保険料率 | 労働者負担 | 事業主負担 |
---|---|---|---|
一般の事業 | 15/1000 | 6/1000 | 9/1000 |
農林水産・清酒製造業 | 17/1000 | 7/1000 | 10/1000 |
建設業 | 18/1000 | 7/1000 | 11/1000 |
平成21年度 | 雇用保険料率 | 労働者負担 | 事業主負担 |
---|---|---|---|
一般の事業 | 11/1000 | 4/1000 | 7/1000 |
農林水産・清酒製造業 | 13/1000 | 5/1000 | 8/1000 |
建設業 | 14/1000 | 5/1000 | 9/1000 |
参考) 平成21年度から労働保険の年度更新の申告・納付の時期が6/1~7/10になります。
詳しい改正内容については、厚生労働省のホームページを確認して下さい。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/koyouhoken.html