平成30年賃金構造基本統計調査 賃金額は0.6%増の33万6200円
厚生労働省が3月、「平成30年賃金構造基本統計調査」の結果を発表しました。
産業別や雇用形態別などから見た賃金について紹介します。
「運輸業、郵便業」などで高い伸び率
同調査の結果によれば、一般労働者の賃金(月額平均)は、男女計30万6200円(年齢42.9歳、勤続12.4年)で、男性が33万7600円(年齢43.6歳、勤続13.7年)、女性が24万7500円(年齢41.4歳、勤続9.7年)という結果に。
前年と比較して、男女計、男性、女性ともに0.6%の増加となっています。
産業別
主な産業別で見ると、もっとも高いのが、男性では「金融業、保険業」で47万400円、女性では「教育、学習支援業」で31万4700円となっています。
対前年比の増減率で見ると、男性では「運輸業、郵便業」(2.1%増)や「生活関連サービス業、娯楽業」(2.1%増)、「建設業」(1.5%増)、「宿泊業、飲食サービス業」(1.4%増)で、女性では「運輸業、郵便業」(4.1%増)や「教育、学習支援業」(1.6%増)で伸びが大きくなっています(表参照)。
雇用形態別
雇用形態別の賃金では、男女計で、「正社員・正職員」が32万3900円(前年比0.7%増、年齢41.9歳、勤続13.0年)、「正社員・正職員以外」が20万9400円(同0.7%減、年齢48.3歳、勤続8.7年)でした。
これを男女別に見ると、男性では「正社員・正職員」の35万1100円(同0.8%増)に対して、「正社員・正職員以外」が23万2500円(同0.9%減)。
女性では「正社員・正職員」の26万5300円(同0.6%増)に対して、「正社員・正職員以外」が18万7900円(同0.9%減)でした。
同調査結果では、「正社員・正職員以外」の賃金の減少について、日給または時給で働いている可能性が高いことから、所定内実労働時間数の減少によるものと推察されるとしています。
都道府県別
全国計よりも高かったのは4都府県で、東京都の38万400円に次いで、神奈川県が33万9100円、大阪府が32万9100円、愛知県が32万2400円。
一方、もっとも低かったのは、宮崎県で23万5100円でした。
短時間労働者
短時間労働者の1時間あたりの賃金では、男女計1128円(前年比2.9%増)で、男性が1189円(同3.0%増)、女性が1105円(同2.9%増)。
これを産業別の対前年比増減率で見ると、男性では「宿泊業、飲食サービス業」(同4.3%増)や「運輸業、郵便業」(同4.2%増)で、女性では「宿泊業、飲食サービス業」(同3.7%増)で伸びが大きくなっています。