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休業手当支払いの判断は?新型コロナウイルスと感染した場合の会社の対応

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投稿日:2020年4月1日(水)

新型コロナウイルス感染症が広がりを見せている中、厚生労働省が「新型コロナウイルスに関するQ&A」を企業向けおよび一般向けに発表しました。

そこで、Q&A(企業向け)に基づき企業の対応策についてまとめておきます。

なお、記事の内容は3月1日現在のものであり、感染拡大の変化に応じて政府の方針も変化していますので、今後の発表にも注意してください。

新型コロナウイルスと感染予防

新型コロナウイルス感染症とは、過去に人で感染が確認されていなかった新種のコロナウイルスが原因と考えられる感染症をいいます。

昨年12月以降、中国の湖北省武漢市で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生が報告されて以来、日本をはじめ世界各地に感染が拡大しています。

感染は、飛沫感染(感染者のくしゃみ、咳、つばなどによるもの)と接触感染(感染者が直接触れた人や物を介するもの)が考えられています。

飛沫感染の場所としては、劇場、満員電車などの人が多く集まる場所が想定され、接触感染の主な経路としては電車やバスのつり革、ドアノブ、スイッチなどがあげられます。

感染を予防するためには、石鹸やアルコール消毒液などによる手洗いを行うことや、咳・くしゃみをする際は、マスクやティッシュ、ハンカチ、袖、肘の内側などを使って、口や鼻をおさえるなどの「咳エチケット」を行うことです。

また、政府は、時差通勤やフレックスタイム制の導入などにより、人混みを避けての通勤、テレワーク(在宅勤務)の検討を企業に求めており、既に多くの企業が導入しています。

検査・診察先

風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く場合、倦怠感、息苦しさなどで感染が疑われる場合は、最寄りの保健所などに設置される「帰国者・接触者相談センター」に問い合わせてください。

新型コロナウイルス感染の疑いのある場合には、「帰国者・接触者外来」を設置している医療機関を案内されます。

診断方法は、咽頭ぬぐい液(綿棒でのどをぬぐってとった液体)を用いて、核酸増幅法(PCR法など)でウイルス遺伝子の有無を確認します。

現時点で、このウイルスに特に有効な抗ウイルス薬などはないため、医療機関においては対症療法が行われます。

ウイルスの潜伏期間は、世界保健機構(WHO)のQ&Aによると、現時点(2月中旬段階)での潜伏期間は1~12.5日(多くは5~6日)とされています。

感染者は14日間の健康状態の観察が推奨されています。

会社の労務管理体制

2月1日付けで新型コロナウイルス感染症は感染症法に基づく「指定感染症」として定められました。

これにより、都道府県知事は感染者に対して入院勧告などが可能となりました。

入院勧告に従って入院した場合の医療費は公費で負担されます。

会社は、その使用する労働者が新型コロナウイルスに感染し、都道府県知事による就業禁止通知を受けた場合には、感染拡大を防ぐために出勤停止措置を講じなければなりません。

この場合の不就労期間(休業期間)は、法令上に基づく措置であり労働基準法第26条に基づく「使用者の責に帰すべき事由による休業」には該当しないため、休業手当(平均賃金の6割相当額)を支払う必要はありません。

休業期間中は会社が健康保険に加入しており、一定の要件を満たせば、健康保険の傷病手当金の支給を受けることができます。

また、新型コロナウイルスに感染が不確かな場合や感染予防のために、労働者が自主的判断で会社を休む場合は、休業手当の支払は必要ありません。

しかし、微熱発生など一定の症状により感染不確定なまま、予防措置として会社の自主的な判断で休業させるような場合は「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当し、休業手当を支払わなければなりません。

会社としてはできるだけ早めに労使で協議し、この感染症に関する労務管理上のガイドラインを作成するなどの対応を検討しておくことが必要です。

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