令和6年能登半島地震の災害に伴う、雇用調整助成金の特例制度が実施されています
雇用調整助成金とは、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が労働者に対して一時的に休業、教育訓練又は出向を行い、労働者の雇用の維持を図った場合に、休業手当、賃金等に一部を助成するものです。
【特例措置の内容】
・地震に伴う経済上の理由により、休業、教育訓練(以下、「休業等」)又は出向を行う事業主が対象です。
・休業等又は出向の初日が令和6年1月1日から令和6年6月30日までの間にある場合、
1.生産指標の確認期間を3ヶ月から1ヶ月に短縮します。
最近1ヶ月の販売量、売上高等の事業活動を示す指標(生産指標)が、前年同期に比べて10%以上減少していれば、生産指標の要件を満たします。
2.最近3ヶ月の雇用量が前年比で増加していても助成対象とします。
通常、雇用保険被保険者及び受け入れている派遣労働者の雇用量を示す雇用指標の最近3ヶ月の平均値が、前年同期比で一定程度増加している場合は助成対象となりませんが、その要件を撤廃します。
3.災害発生時に事業所設置後1年未満の事業主についても助成対象とします。
災害発生時において雇用保険適用事業所設置後1年未満の事業主については、生産指標を災害発生時直前の指標と比較します。
4.計画届の事後提出を可能とします。
通常、助成対象となる休業等又は出向を行うに当たり、事前に計画届の提出が必要ですが、計画届の提出日が令和6年3月31日までの間である場合は、計画届を事前に提出したものとしてみなします。これにより令和6年1月1日以降に開始された休業等や出向についても遡及して助成対象となります。
なお、現在、過去の災害への対応状況を踏まえたさらなる対応について検討中です。
【地震に伴う「経済上の理由」とは】
地震よる直接的な被害そのものは経済上の理由に当たりませんが、災害に伴う以下のような経営環境の悪化については経済上の理由に当たり、それによって事業活動が縮小して休業等を行った場合は助成対象となります。
(経済上の理由例)
・取引先の地震被害のため、原材料や商品等の取引ができない。
・交通手段の途絶により、来客がない、従業員が出勤できない、物品の配送ができない。
・電気・水道・ガス等の供給停止や通信の途絶により、営業できない。
・風評被害により、観光客が減少した。
・施設、設備等の修理業者の手配や修理部品の調達が困難で、早期の修復が不可能
ご不明な点がありましたら、社労士法人中村事務所(TEL06-6531-5411)または管轄の労働局までお問い合わせください。