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4割強の人が「66歳以上も働く」と回答 高齢者における就労意欲と課題を考える

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投稿日:2024年6月1日(土)

 

生産年齢人口が減少するなか、深刻化する人材不足の問題を解消するためには高齢者の労働力が必要不可欠ですが、就業者は高齢での就労についてどう考えているのでしょうか。

企業が高齢者の雇用を促進するにあたって見ておきたい内閣府や厚生労働省の調査を取り上げます。

内閣府が3月に公表した「生活設計と年金に関する世論調査」によると、「何歳まで収入を伴う仕事をしたいか、またはしたか」について最も多かったのは「61〜65歳」の28.5%でした。

また、「66歳以上」が全体の4割強を占めており、高齢になっても働く意欲を持つ人が多いことがわかります(図表1参照)。

続く「その年齢まで働きたい、または働いた理由」の回答は図表2の通りで、「生活の糧を得るため」(75.2%)が最も多くなっています。

また、「最も希望する就労形態、または退職するまで主に働いた就労形態」においては、「役員を含む、正規の職員・従業員」が34.9%、「期間従業員、契約社員、派遣社員を含む、非正規の職員・従業員」が39.5%、「自分で、または共同で事業を営んでいる自営業主・自由業」が12.2%、「家族従業者・家族が営んでいる事業を手伝う」が4.0%という結果でした。

年金が減らないように働く

同調査では「在職老年年金制度」の影響についても調べています。

在職老齢年金制度とは、就労して一定以上の賃金を得ている60歳以上の老齢厚生年金受給者を対象に、当該老齢厚生年金の一部または全部の支給を停止する仕組みのこと。

「厚生年金を受け取る年齢になったときの働き方」に対する回答は、「年金額が減らないように、就業時間を調整しながら会社などで働く」が44.4%と最も多く、「働かない」が23.6%で続いています。

昨今、この制度が高齢者における「就労の壁」になるともいわれていますが、影響はありそうです。

労働災害発生率が高い

一方で、「令和4年 高齢者労働者の労働災害発生状況」(2023年5月、厚生労働省)によると、雇用者全体に占める60歳以上の労働者の割合が18.4%なのに対し、労働災害による休業4日以上の死傷者数に占める割合は28.7%。

高齢者は身体機能の低下等の理由から、若年層に比べて労働災害の発生率が高く、休業も長期化しやすいことがわかっています。

同省ではこの課題に対し、「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」や「高年齢労働者に配慮した職場改善マニュアル」を公開しています。

高齢者の就労が増えるなか、企業においては高齢者が安心・安全に働ける職場環境づくりが重要といえます。

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