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4月から労働条件の明示のルールが変更 募集時及び採用時の労働条件の明示方法

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投稿日:2024年5月12日(日)

2024年4月1日から、求人の際や労働者との労働契約の締結、有期労働者との労働契約更新に伴う労働条件の明示方法が変わります。

そこで今回は、見直しが必要となる求人時の募集記載の仕方及び労働契約書の追加事項について確認します。

求人募集に伴う労働条件の明示事項の追加

求人企業・職業紹介事業者等が労働者の募集を行う場合及び職業紹介を行う場合等には、募集する労働者に係る労働条件の明示が必要ですが、2024年4月1日からは以下の事項についても明示することが必要となります。

1.従事すべき業務の変更の範囲

2.就業場所の変更の範囲

3.有期労働契約を更新する場合の基準(通算契約期間、更新回数の上限を含む)

1.2.における「範囲」とは、雇入れ直後にとどまらず、将来の配置転換など今後の見込みも含め、採用後に締結する労働契約の期間中において予測できる変更の範囲をいいます。

したがって、今後はハローワーク等への求人の申込みや自社ホームページでの募集、求人広告の掲載を行う場合は、求人票や募集要項において、少なくとも上記1.〜3.の労働条件を明示しなければなりません。

ただし、求人広告のスペースが足りない等、やむを得ない場合には「詳細は面談時にお伝えします」などと付した上で、労働条件の一部を別途のタイミングで明示することも可能です。

この場合、原則として面接などで休職者と最初に接触する時点までに、すべての労働条件を明示する必要があります。

また、面接等の過程で当初明示した労働条件が変更となる場合は、その変更内容を明示する必要があります。

なお、募集等の時点で今後の変更の見込みが具体的に想定されていない場合や、有期雇用労働者の募集で契約更新後の期間中に変更が生じる可能性がある「就業場所及び業務の変更」については明示対象事項には含まれません。

また、変更の範囲が見込まれないものについての明示は不要です。

労働契約締結時における労働条件の明示事項の追加

労働基準法上、使用者は労働契約締結時に労働条件通知書等により労働条件を明示しなければなりません(第15条)。

これについても2024年4月1日以降、前述1.〜3.の内容を労働条件通知書等に明示しなければならない事項として追加されました。

これらの事項の明示は労働契約の締結時のほか、有期労働契約については契約を更新するタイミングごとに、すべての労働者(パート・アルバイト・契約社員、派遣社員、定年の再雇用者など)が対象となります。

就業場所・業務変更の範囲

今回追加となる「就業場所・業務の変更の範囲」とは、前述の通り、雇入れ直後に加えて当該労働契約の期間中に「通帳就業すべき場所」及び「通常従事する業務」として命じる可能性が想定され得る場合のことを指します。

したがって、将来的に配置転換や在籍型出向等が想定されるのであれば、就業場所の変更の範囲に含まれます。

しかし、あくまで一時的な就業場所及び業務の変更、臨時的な他の部門への応援業務、出張、研修などは変更の範囲に含まれません。

また、前述の募集時と同様に、有期労働契約の場合は、当該契約期間中に就業の場所及び業務の変更の範囲に変更がある場合に限られ、更新後に変更を命じる可能性のあるものについて明示することまで求められているものではありません。

テレワークについては、労働者がテレワークを行うことが通常想定されている場合には、テレワークを行う場所が就業の場所の「変更の範囲」に含まれますが、一時的に行う場合は含まれませんので、明示の必要はありません。

変更の範囲に含まれる場合、労働者の自宅やサテライトオフィスなど、テレワークが可能な場所を明示することになります。

有期労働契約における更新条件の明示事項の追加

有期雇用契約の労働者には、新たに契約更新上限(通算契約期間または更新回数の上限)の有無と内容を明示しなければなりません。

更新上限の有無とは、例えば「契約期間は通算5年まで」「更新5回まで」などです。

また、最初の契約締結時より後に更新上限を新たに設ける場合や、最初の契約締結時に設けていた更新上限を短縮する場合(例えば、通算契約期間上限5年から3年に、更新回数上限3回から1回になど)においては、更新上限を新たに設ける理由または短縮する理由を、事前に対象者に説明しなければなりません(図表赤字部分参照)。

加えて、明示のタイミングは、入社時・有期労働契約時だけでなく、契約更新のたびに更新回数の上限を明示することになるため、注意が必要です。

無期転換申込機会の書面への明示

同一企業との間で有期雇用契約労働者と雇用期間が5年を超えて更新された場合、有期雇用契約労働者からの申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換されることになります。

今回の改正によって、この「無期転換申込権」が発生する更新のタイミングごとに、無期転換を申込むことができる旨(無期転換申込機会)の明示が義務付けられました。

したがって、仮に無期転換申込権の発生後、無期転換の申込を受けずに有期労働契約を更新した場合においても、その後の更新のたびに「無期転換申込機会」の明示が必要となります(図表赤字部分参照)。

さらに無期転換後の労働条件が有期雇用契約時とどのように変更になるのか、無期転換後の労働条件の明示も契約更新の都度、同時に行わなければなりません。

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