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約2割の企業が「制度を知らなかった」という実態も 勤務間インターバル制度の導入状況を見る

投稿日:2025年2月26日(水)

労働者の健康やワーク・ライフ・バランスの向上に有効な手段として挙げられる「勤務間インターバル制度」。

2019年4月より導入が企業の努力義務となっていますが、現状はどうなのでしょうか。

厚生労働省の調査をもとに、導入状況および労災認定事案(脳・心臓疾患)との関係を確認します。

導入している企業は6.0%

「勤務間インターバル」とは1日の勤務終了後、翌日の出社までの間に一定以上の休息時間(インターバル)を設けること。

インターバルの時間に法律上の決まりはありませんが、人事院が国家公務員の勤務間インターバルの目安を11時間と定めていることは、企業においても一つの目安となります。

現在、勤務間インターバル制度の導入は事業主の努力義務となっていますが実態はどうでしょうか。

厚生労働省が公表した「令和5年就労条件総合調査」によると、常用労働者数30人以上の企業において、制度を「導入している」企業の割合は6.0%。

1企業当たりのインターバル平均時間は10時間20分となっています。

一方、「導入予定はなく、検討もしていない」企業は81.5%にのぼり、そもそも「制度を知らなかった」企業が19.2%あることもわかりました。

労災認定事案との関係

こうした状況を受けて「令和6年版 過労死等防止対策白書」(厚生労働省)では、勤務間インターバルの時間と脳・心臓疾患の労災支給決定(認定)事案の関係を調査。

脳・心臓疾患の労災認定に労働時間以外の負荷要因も加味することになった2021年9月の認定基準改正以降、2022年3月までの期間における労働時間以外の負荷要因の事案(全97件)を見ると、「勤務間インターバルが短い勤務」と「拘束時間の長い勤務」がともに24件で最多となっています。

また、脳・心臓疾患の労災認定事案について勤務間インターバルの状況を分析したところ、業種別に見た事案ごとの平均値は図表の通り。

11時間未満の割合は「運輸業、郵便業」(46.2%)、「農林業」(41.7%)、「漁業」(40.0%)、「不動産業、物品賃貸業」(39.5%)、「宿泊業・飲食サービス業」(37.1%)の順で高くなっています。

2024年8月2日に閣議決定された「過労死等の防止のための対策に関する大綱」では、2028年までに常用労働者数30人以上の企業において勤務間インターバル制度を「導入している」企業の割合を15%以上、「制度を知らなかった」企業の割合を5%未満にするとしています。

厚生労働省の「働き方・休み方改善ポータルサイト」では、勤務間インターバルの取組事例や相談窓口等を紹介しています。

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