平成24年度 長時間労働の事案は10倍増 精神障害による労災認定が過去最多
投稿日:2013年7月28日(日)
このほど厚生労働省がまとめた平成24年度の「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」によると、仕事による強いストレスなどが原因で発病した精神障害の労災認定件数は475件で前年度に比べて150件増加し、過去最多であったことが分かりました。
精神障害の労災件数は1257件で、前年度に比べて15件減少していますが、精神障害の認定においては、認定事由別(出記事別)にみると、1ヵ月80時間以上の時間外労働に従事していた事案が前年度の3件から32件に、2週間以上の連続勤務があった事案が1件から17件に増加しており、長時間労働や連続勤務が発症の主な原因とみる傾向が強くなっていることがうかがえます。
このほかの事案では、多い順から、「仕事内容・仕事量の(大きな)変化に生じさせる出来事があった」が59件、「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」が55件、「悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」が51件と続いています。
職種別では、「一般事務従事者」が請求234件、認定65件と最も多くなっています。
一方、過重な仕事が原因でくも膜下出血や心筋梗塞などの「脳・心臓疾患」を発症した事案の労災請求件数は842件で、前年度に比べて56件の減少となりましたが、労災と認定された件数は338件で28件増加しました。
職種別では、「自動車運転従事者」が請求152件、認定83件と最も多くなっています。