平成27年改正労働者派遣法のポイント(第2回)
投稿日:2015年12月16日(水)
意見聴取手続き
派遣の受入れの継続の是非について、労使間で実施的な話合いが行われることが重要です
事業所単位の期間制限による3年の派遣可能期間を延長する場合、派遣先は、その事業所の過半数労働組合等(※)に対して意見を聴く必要があります。
(※過半数労働組合が存在しない場合、事業所の労働者の過半数を代表する者)
意見聴取の流れ
- 意見聴取は、事業所単位の期間制限の抵触日の1カ月前までに行うことが必要です。
- 過半数労働組合等から異議が示されたときは、対応方針等を説明する義務があります。
派遣労働者のキャリアアップ支援
キャリアアップ支援に必要な情報の提供
派遣先は、派遣元から求めがあったときは、派遣元によるキャリアアップ支援に資するよう、派遣労働者の職務遂行状況や、職務遂行能力の向上度合いなどの情報を提供する努力義務があります。
雇入れ努力義務
派遣労働者を受け入れていた組織単位に、派遣終了後、同じ業務に従事させるため新たに労働者を雇い入れようとする際、一定の場合には、その派遣労働者を雇い入れるよう努めなければなりません。
正社員の募集情報の提供義務
派遣先の事業所で正社員の募集を行う際、一定の場合には、受け入れている派遣労働者に対しても、その募集情報を周知しなければなりません。
労働者の募集情報の提供義務
正社員に限らず、派遣先の事業所で労働者の募集を行う際、一定の場合には、受け入れている派遣労働者に対しても、その募集情報を周知しなければなりません。
労働契約申込みみなし制度
平成27年10月1日から、労働契約申込みみなし制度が施行されています
派遣先が次に掲げる違法派遣を受け入れた場合、その時点で、派遣先が派遣労働者に対して、その派遣労働者の派遣元における労働条件と同一の労働条件を内容とする労働契約の申込みをしたものとみなされます。(派遣先が違法派遣に該当することを知らず、かつ、知らなかったことに過失がなかったときを除きます。)
労働契約申込みみなし制度の対象となる違法派遣
- 労働者派遣の禁止業務に従事させた場合
- 無許可の事業主から労働者派遣を受け入れた場合
- 期間制限に違反して労働者派遣を受け入れた場合(※)
- いわゆる偽装請負の場合
※期間制限違反について
- 新たに設けられた事業所単位・個人単位の2つの期間制限のどちらに違反した場合も、労働契約申込みみなし制度の対象となります。
- 派遣元は、派遣労働者に対して就業条件などを明示する際に、期間制限違反が労働契約申込みみなし制度の対象となる旨も明示しなければなりません。
- 改正法の施行日(9/30)時点ですでに行われている労働者派遣については、改正前の期間制限が適用され、制限を超えて派遣労働者を使用しようとするときは、改正前の法律の労働契約申込み義務の対象となります。(労働契約申込みみなし制度の対象とはなりません)