雇用保険制度の見直し 雇用保険料率、28年度は引下げへ
投稿日:2016年2月20日(土)
労働政策審議会(厚生労働大臣の諮問機関)の分科会は12月25日、雇用保険制度の見直しの方向性について報告書をまとめました。
同報告書では、雇用保険の財政状況等を勘案して、平成28年度は失業等の給付に係る雇用保険料率を引き下げることが盛り込まれました。実施されれば、一般の事業では現行の1000分の10から1000分の8に引き下げられることになります。
また、65歳以降に新たに雇用される人を雇用保険の適用対象とすることや、4月1日現在で64歳以上である人の雇用保険料の徴収免除制度を廃止して、一定の経過期間を設けて原則どおり徴収することもあげられています。
一方で、65歳以上の多くが中小企業に雇用されていることなどを踏まえ、雇用保険料の徴収免除の廃止に併せて、例えば65歳以上の高齢者を一定割合以上雇用している事業主に対する助成措置を検討すべきだとしています。
このほか、政府が方針を打ち出している介護離職の防止に向け、介護休業給付の給付率を休業前賃金の67%(現行は40%)に引き上げる、介護休業の分割取得を可能とするなどとしています。また、育児・介護休業法の改正の動きを踏まえて、介護休業給付と育児休業給付の給付範囲などの見直しも視野に入れています。
報告書を受けて、厚生労働省は今の通常国会に改正法案を提出することにしています。
【参考】雇用保険料率の推移(平成20年度以降)
20年度 | 21年度 | 22・23年度 | 24〜27年度 | 28年度 | |
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失業等給付に係る率(労使折半) | 12/1000 | 8/1000 | 12/1000 | 10/1000 | 8/1000 (予定) |
雇用二事業に係る率(事業主負担) | 3/1000 | 3/1000 | 3.5/1000 | 3.5/1000 | 3/1000 (予定) |
※上記は一般の事業の保険料率
(農林水産業、清酒製造業及び建設業の失業等給付に係る率については労使双方1/1000ずつの上乗せがあり、また、建設業の二事業に係る率については1/1000の上乗せがあります)