健康保険法の改正(平成28年4月施行)傷病手当金・出産手当金の計算方法の変更
投稿日:2016年4月11日(月)
傷病手当金・出産手当金の計算方法
健康保険の傷病手当金は被保険者が業務外の病気やケガの療養のため働くことができない期間、出産手当金は被保険者が出産のため休業する期間を対象として、給与(報酬)が受けられない場合、または給与の支払額が手当金より少ない場合に受けることができます。
手当金は、休業一日につき標準報酬日額(標準報酬月額の30分の1)の3分の2相当額が支給されますが、計算のもとになる標準報酬月額は休業の当月の額とされています。
平成28年4月からはこの計算方法が変更され、一日について、手当金の支給が始まる日の属する月を含む直近の継続した12ヵ月間の被保険者期間の標準報酬月額を平均した額の30分の1を基礎として、その3分の2に相当する額になります。
「12ヵ月」に満たない場合
手当金の支給開始日以前の被保険者期間が1年間に満たない人は、その人の被保険者期間における各月の標準報酬月額の平均額と、支給開始日の属する年度の前年度の9月30日における全被保険者の同月の標準報酬月額の平均額を比べて、少ない方の額をもとに標準報酬日額を算出することになります。この標準報酬月額の平均額は、保険者(協会けんぽや健康保険組合)ごとに算定されます。(協会けんぽの場合は、平成27年度は28万円となっています。)
また、支給開始前1年以内に転職などをしている場合で、転職前後で加入している健康保険の保険者が異なる場合は、転職後の被保険者期間のみで平均額を計算します。
4月より前から受給している場合
今回の2つの手当金の計算方法変更の施行日は平成28年4月1日としているため、例えば施行日より前から継続して傷病手当金を受ける場合、4月1日以降の日にかかる支給額については、新しい計算方法で計算されることになります。