「働き方改革実現会議」が実行計画を決定 時間外労働、繁忙月は「100時間未満」に
政府は3月28日、「働き方改革実現会議」を開催し、罰則付き時間外労働の上限規制の導入や、「同一労働同一賃金」の実効性を確保するための法整備などを盛り込んだ実行計画を決定しました。
最大の懸案だった時間外労働の上限規制については、原則「月45時間」かつ「年360時間」とし、一時的な業務量の増加などやむを得ない事情がある場合は、労使協定の特別条項により、上限を「年720時間(月平均60時間)」とし、特に忙しい月は「100時間未満」まで認めるものとしています。
また、現行制度において別に定める基準が適用されている業務や業種の扱いに関して、自動車の運転業務については、一般則の施行期日の5年後に年960時間位内の規制を適用すること、建設事業については、同5年後に一般則を適用することなどとしています。
これらを受け、計画では過労死等の防止対策として、勤務と勤務の間に一定時間の休息を設ける「インターバル制度」や、メンタルヘルス対策の新たな政府目標を掲げることなどを引き続き検討するとしています。
一方、「同一労働同一賃金」は、職務内容、職務の成果・能力・経験などにおいて、正規雇用労働者と非正規雇用労働者(パートタイム労働者・有期雇用労働者・派遣労働者)との間の不合理な処遇差の解消に向け、昨年12月に策定されたガイドライン案の実効性を確保するため、その根拠を整備する法改正を行うとしています。
具体的には、事業主に均等待遇を求めることについて明確化することや、雇入れ時に労働者に対する待遇に関する説明義務、雇入れ後に労働者の求めに応じ、比較対象となる労働者との待遇差の理由等についての説明義務を課すようにするとしています。
政府は今後、労働政策審議会で議論を進めたうえで関連法の改正作業に着手し、早ければ年内にも改正法案を国会に提出する方針です。