時間外労働の上限規制で詳細を議論開始『36協定』に健康確保措置の規定を提議
投稿日:2017年6月1日(木)
労働政策審議会(厚生労働大臣の諮問機関)の労働条件分科会は4月27日、「働き方改革」の実行計画に基づき、時間外労働の上限規制などの詳細な取扱いに関する議論を開始しました。
議論に挙がった主な内容は、上限規制に関する新たな指針に盛り込むべき事項について、労使協定(36協定)により時間外労働の限度基準時間(月45時間、年360時間)を超えて延長する特例を導入する場合は、(1)特例による延長時間をできる限り短くする(努力義務)、(2)特例に係る割増賃金率を法定基準を超える率とする(努力義務)、(3)特例の場合に実施する健康・福祉確保措置の内容の例示、(4)労働時間を延長する必要のある業務の区分を細分化する、といった事項が考えられるとしています。
このうち、健康・福祉確保措置については、時間外労働の特別条項を労使間で協定する場合、限度基準時間を超えて労働した労働者に講ずる健康確保措置を定めなければならないことを、時間外限度基準告示において規定し、健康確保措置として望ましい内容を通達で示すことが適当であるとしています。
このほか、休日労働についても、できる限り抑制するような努力義務を指針に盛り込むことなどが挙げられていて、関連法の改正作業の着手に向けて今後の審議会で検討される予定です。