脳・心臓疾患、精神障害の労災補償状況 過労等が原因の労災認定件数が増加
投稿日:2017年8月1日(火)
厚生労働省はこのほど、過重な仕事が原因で発症した脳・心臓疾患や、仕事による強いストレス等が原因で発病した精神障害の労災補償状況をまとめました。
平成28年度における脳・心臓疾患の労災請求件数は825件で、前年度と比べて30件増加。そのうち業務上認定(給付の支給決定)されたのは、9件増加して260件となっています。
請求件数は2年連続の増加、業務上認定件数は4年ぶりの増加となりました。
業種別では、「運輸業、郵便業」(請求212件、認定97件)が請求、認定ともに最も件数が多く、次いで、「卸売業、小売業」、「製造業」が上位となっています。
また、時間外労働時間別(1ヵ月または2〜6ヵ月における1ヵ月平均)の認定件数は「80時間以上〜100時間未満」が106件で最も多く、「100時間以上」の合計件数は128件となっています。
一方、精神障害に関する労災請求件数は1,586件で、前年度と比べて71件増加。そのうち業務上認定されたのは、26件増加して498件となっています。
請求件数は4年連続の増加、業務上認定件数は2年ぶりの増加となりました。
業種別では、請求件数は「医療、福祉」(302件)、「製造業」(279件)が多く、認定件数は「製造業」(91件)、「医療、福祉」(80件)が多くなっていますが、時間外労働時間別では、時間数によって認定件数が多くなる傾向は特にみられてはいません。
また、出来事別の認定件数をみると、「嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」74件、「仕事内容・仕事量の変化を生じさせる出来事があった」63件、「悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」53件の順に多くなっています。