厚労省検討会で社労士が資料提出 中小企業の「働き方改革」で国に要望
厚生労働省の有識者検討会は11月7日会合を開き、働き方改革における中小企業・小規模事業者特有の課題や対策について議論を行いました。
会合では、外部有識者として各地域から数名の社会保険労務士も参加し、中小企業が抱える問題点やそれに対する指導・助言の内容、および国への要望などの資料を提出しました。
長時間労働の要因については、1.人手不足、2.業務の属人化(特定の従業員に仕事が偏るなど)、3.マネジメント不足・業務プロセスの問題、4.意識の問題(社内に提示で帰りずらい雰囲気があるなど)、5.取引関係(競争の激化、過度なサービスの提供など)が具体的な問題点とともに挙げられました。
これらに対する社労士の指導・助言としては、1.介護離職など不本意な離職の防止のため、多様な働き方のメニューを用意し、気兼ねなく働けるような制度を導入する、2.仕事の見える化、マニュアル化を行い、他の人でもできるよう多能工化に向けた研修を行う、3.仕事の棚卸と業務の再配分や取捨選択、残業の事前承認性、変形労働時間制などの柔軟な働き方の導入を行う、4.長時間残業する人ではなく、限られた時間の中で成果を出そうと努力する人を正当に評価する。経営者や上司から帰宅を促す、5.取引上の一定の配慮(長時間労働となる発注、担当者が一人ではないことなど)について、役員が取引先に対し理解を得る、などが示されました。
また、これらの状況を踏まえ、国に対する要望として、経営と労務管理の両面から、「働き方改革」を進める中小企業に対する助言・支援や、時短に効果のある設備投資への助成金拡充、業務効率化により働き方改革を進めようとする企業への融資などの支援を働きかけました。
検討会では、今後も議論を重ね、中小企業・小規模事業者における「働き方改革」実現に向けた具体的な対策をまとめることとしています。