柔軟な働き方で推進 副業・兼業のガイドラインを公開
厚生労働省は、1月31日、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を新たに策定し、公開しました。
ガイドラインでは、多くの企業で副業・兼業を認めていないのは、認めた場合の課題や懸念として、自社での業務がおろそかになること、情報漏洩のリスクがあること、競業・利益相反になること、などが挙げられています。
これに関しては、同時に公開したモデル就業規則の中で、以下の場合には副業・兼業を制限できると示されています。
1.労務提供上の支障がある場合
2.企業秘密が漏洩する場合
3.会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
4.競業により、企業の利益を害する場合
副業・兼業を禁止としている企業の今後の対応については、副業・兼業が自社での業務に支障をもたらすものかどうかをいま一度精査した上で、前記のような事情がなければ、労働時間以外の時間については、労働者の希望に応じて、原則として、副業・兼業を認める方向で検討することが求められるとしています。
また、副業・兼業を認める場合には、労働者からの自己申告により副業・兼業先での就労時間を把握すること、法令に基づいて健康診断などの必要な健康確保措置を実施すること、などが適当であるとしています。
このほか、労災保険の給付に関しては、労働者が、自社、副業・兼業先の両方で雇用されている場合、一の就業先から他の就業先への移動時に起こった災害については、通勤災害として給付の対象となること、雇用保険に関しては、それぞれの雇用関係において被保険者要件を満たす場合は、その者が生計を維持するのに必要な主たる賃金を受ける雇用関係についてのみ被保険者となること、などにも留意が必要だとしています。
厚労省は、ガイドラインにあわせて公表した「Q&A」やモデル就業規則を活用して、副業・兼業の促進を図っていく予定です。