有給休暇の取得状況など有給休暇の取得日数は年間9日、取得率は49.4%
就労状況の現状を明らかにすることを目的に、常用労働者30人以上の民営企業を対象に毎年行われている「就労条件総合調査」(厚生労働省)。そのなかから、年次有給休暇の取得状況や基本給の決定要素について紹介します。
基本給の決定要素は職務・職種の仕事内容
昨年末に発表された平成29年「就労条件総合調査」の結果によれば、平成28年(または平成27年会計年度)1年間に企業が労働者に付与した年次有給休暇の日数は1人平均18.2日(前年18.1日)。そのうち労働者が実際に取得した日数は9.0日(同8.8日)で、取得率(付与日数に対して実際に取得した日数の割合)は49.4%(同48.7%)と上昇しています。また、企業規模に比例して、規模(労働者数)が大きくなるほど取得率が高くなる傾向がみられます。
男女別の取得率では、男性が46.8%、女性が55.4%となっており、男女差がみられます。やはり、女性のほうが、家事や子育てなどの都合により、有給休暇を取得するケースが多くなっているということでしょうか。
産業別でみると、取得率は「電気・ガス・熱供給・水道業」が71.8%ともっとも高く、「宿泊業、飲食サービス業」が32.8%ともっとも低くなっています。産業によってばらつきがあることがわかります。
また同調査では、賃金制度についても調査しています。
基本給の決定要素については、管理職では「職務・職種など仕事の内容」が77.4%で1位。2位が「職務遂行能力」(64.9%)、3位が「学歴、年齢・勤続年数など」(61.5%)の順になっています。これが管理職以外の場合には、2位と3位が入れ替わる結果となっています。
産業別の労働者1人平均年次有給休暇の取得状況
産業 | 付与日数(日) | 取得日数(日) | 取得率(%) |
---|---|---|---|
鉱業、採石業、砂利採取業 | 18.3 | 10.4 | 57.0 |
建設業 | 18.1 | 6.9 | 38.0 |
製造業 | 19.0 | 10.7 | 56.2 |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 19.5 | 14.0 | 71.8 |
情報通信業 | 18.9 | 11.2 | 58.9 |
運輸業、郵便業 | 17.7 | 8.6 | 49.0 |
卸売業、小売業 | 18.3 | 6.4 | 34.9 |
金融業、保険業 | 20.3 | 10.4 | 51.5 |
不動産業、物品賃貸業 | 17.8 | 7.8 | 43.7 |
学術研究、専門・技術サービス業 | 18.1 | 10.4 | 57.6 |
宿泊業、飲食サービス業 | 16.5 | 5.4 | 32.8 |
生活関連サービス業、娯楽業 | 16.9 | 6.6 | 38.9 |
教育、学習支援業 | 18.8 | 7.0 | 37.2 |
医療、福祉 | 16.8 | 8.8 | 52.5 |
複合サービス事業 | 19.4 | 12.5 | 64.6 |
サービス業(他に分類されないもの) | 17.0 | 8.5 | 49.9 |
※1 労働者1人平均。繰越日数を除く
※2 労働者1人平均。前年(または前々会計年度)1年間に実際に取得した日数
※3 取得日数計/付与日数計×100(%)